日本における環境への取り組み
日々の生活での環境負荷低減アクションは、生活者ひとりひとりが主役に。ハブラシから始まるサステナビリティ。
Haleonでは「Deliver better everyday health with humanity.(もっと健康に、ずっと寄りそって)」のパーパスのもと環境への取り組みに注力しています。Haleonの環境サステナビリティへの取り組みをリードする担当者のインタビューをご覧ください(2025年2月取材内容)。
山本輝樹
ノースアジア テクニカルパッケージ/サステイナビリティ リード
生活者の健康に特化する企業である私たちHaleonでは、「地球の環境が健全であるからこそ、私たち人間が健康でいることができる」という考えに基づいて、環境への取り組みは、グローバル共通の戦略のなかで高いゴール設定を持ち実行しています。日本では、主に炭素排出への取り組み、化石資源由来のプラスチック使用の削減、リサイクルが可能なパッケージ素材への変更等を積極的に実行しています。
Haleonではグローバル全体で、「2030年までに化石資源由来のバージンプラスチックの使用を1/3に削減する※1」、「2030年までにすべての製品パッケージをリサイクル可能または再利用可能にする※2」、「パートナーと協力して2030年までにパッケージを収集・分類・リサイクルするためのグローバル及び、ローカルのイニシアチブを推進する」という具体的な目標を掲げています。この高い目標の達成に向けて、日々変化する最新技術を駆使し、いかに品質を保ち、生活者が製品を使用するにあたって不便になることがないように、試行錯誤を重ねています。
※1.対2020年基準値。2030年までにScope1と2の炭素排出量を100%削減するというHaleonの目標は、95%の絶対量削減目標に基づいています。Haleonは、Scope1、2、3の目標をScience Based Targets Initiativeに提出し、検証を受けており、Net Zeroに対してのコミットメントを登録しています。
※2.安全性、品質、規制が許す限り
Haleonでは、グローバル全体で、ビジネス成長にかかわらず、化石資源由来のバージンプラスチック使用量を、2022年時点と比較して、2025年までに約10%削減することを目標としています。日本では、2025年までの課題として掲げていた10%削減の目標は2024年末の時点で達成しており、2025年もこの数値は維持できると考えています。次のステップとして、2030年までの課題に対してすでにプロジェクトのリストは完成しており、最新の技術も取り入れ、実現に向けての準備を進めている状況です。
着実に一歩一歩進んでいる手応えはあります。不可能と思われていた課題も、試行錯誤を繰り返し、実行していくことで見えてくる部分も多いので、諦めずトライしていくことが何よりも大事だなと思います。
Haleonが掲げているパーパスの存在は大きいと感じています。日本でも「地球の環境が健全であるからこそ、私たち人間が健康でいることができる」という考えに基づいて、こうした環境サステナビリティへの取り組みが進められています。グローバル企業として、サステナビリティ分野での海外の先進国の事例を知ることができる立場だからこそ、出来ることは何でも検討していきたいと思っています。
国内では、グローバルと同様に、2022年にはシュミテクト ハブラシの一部の製品パッケージを100%プラスチックフリーにする取り組みを行いました。2023年よりハミガキのチューブは従来複合素材だったものをプラスチックのみにすることで将来的にリサイクルが出来る仕様に変更し、2024年にはハミガキに使用しているキャップはバイオマスプラスチック(マスバランス方式)に変更しています。
今回、プラスチック使用量の多いシュミテクト ハブラシのハンドル部分を、化石資源由来のプラスチックを使わない仕様への変更を行いました。
「2030年までに化石資源由来のプラスチックの使用を1/3に削減する」というグローバル全体での目標実現に向けて、Haleonジャパンとして、どの製品にどの程度の化石資源由来のプラスチックを使用しているのかを分析しました。その中で大きな割合を占めていた、ハブラシのハンドルの部分に使用している化石資源由来のプラスチックをサステナブルな素材に置き換える方法はないかと、グローバルチームと協業しながら考えました。
技術面の課題はありつつも、一番の課題は品質や使用感を変えずに、製品を提供できるかという点でした。また素材変更による製品価格へのチャレンジもありました。品質・使用感・購入しやすい価格は変えることなく、環境サステナビリティへのアクションを実現することに常にチャレンジすることを、我々はマインドとして重要視しています。変更することによって生じるコストアップへのチャレンジを、「どのように相殺できるか」を技術者だけでなく社内全体で考えることで、今回の素材変更が実現しました。
シュミテクト やさしく歯周ケア ハブラシは、化石資源由来のプラスチック使用量を、ハブラシ1本あたり約64%削減できます。パッケージも含めると、以前のサステナブルな素材を使用していなかった時に比べて、約72%の削減となります。
我々として一番の課題の一つが、「Haleonの商品を選んでいただくことによって環境負荷軽減に貢献できることを、いかに多くの生活者の方に知っていただくか」という点がありました。社内でスペシャルチームを結成して、様々な立場から多くの議論を積み重ね、最も生活者の皆様が製品を手にとって見ていただける店頭でのコミュニケーションを大事にしたいと考え、作成に至りました。
とはいえ、環境マークの開発にはかなりの苦労がありました。社内でスペシャルチーム内での様々な意見を聞きながら、一つ一つエビデンスを作っていきました。環境表示マークから伝えたい想いを、特に未来を担う若い世代にも理解していただき、環境負荷軽減への参加のきっかけになればうれしいです。
他企業様も様々な取り組みをされていますが、やはり生活者の皆様に取り組み内容が伝わりづらい点が業界全体としても課題だと感じています。また、さらに業界全体の協業が進めば、社会全体のプロセスを変えることも出来ると考えています。それらの実現に向けては、行政との協業、リサイクラーの参加や、店舗の協力、生活者の意識の変化や取り組み、といった全員の協力が必要です。
そのためには、我々の取り組みが、どのように環境負荷低減に貢献しているか、生活者の皆様が納得できるものになっているか、ということも重要だと捉えています。ペットボトルのリサイクルのように、毎日の歯磨きに使用する製品に対しても、環境サステナビリティへの参加が当たり前になる社会の実現を目指して、諦めず発信していきたいと考えています。
我々は、コンシューマー・ヘルスケア領域のリーディングカンパニーとして、環境サステナビリティの旗振り役になれればと考えています。社として出来ることは少しでも改善していきながら、それを外部へ発信していき、業界全体での協業を促進していきたいと思っています。
社外への取り組みと並行して、社内でのアクションも進めています。生活者の一人として、海にたどり着いたプラスチックによる海洋汚染を防ぐことも非常に重要です。弊社のビーチクリーニングボランティア活動も、本年度で累計5回を数えます。2024年は本社所属社員の約3分の1が、ビーチクリーニングイベントに参加し、また全国の拠点でも活動を実施しました。社の一大イベントとして今後も活動を続けていきます。
ビーチ―クリーニング活動(神奈川県鎌倉市)
自分自身も含めてですが、サステナビリティを意識して自ら環境に対するアクションを積極的に行うことは時にハードルが高いこともあります。その中で、皆様にはHaleonの製品をご使用いただくことで、環境負荷軽減に貢献できていると胸を張っていただきたいなと思っています。
我々からの一方的な発信だけでなく、生活者の皆様からも環境サステナビリティに関する声を積極的にいただきたいです。生活者の声やニーズを元に私たちはよりよい取り組みを推進していき、サステナブルな社会を実現したいと考えています。